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ケロイドの治療

今日は、ケロイドの病態と治療について書いてみたいと思います。

「ケロイド」は、ドイツ語で「Keliod」と書いて、「蟹の足」という意味です。
和訳では、「蟹足腫(かいそくしゅ)」と訳されています。
文字通り、四方八方に正常皮膚を侵しながら拡がって行く非常に厄介なできものです。

ケロイドの表面は、赤く緊満した状態で独特の光沢を帯びています。
活動性が高いものほど鮮やかな鮮紅色を呈しています。

自覚症状は、「痛み」や「かゆみ」です。
肩甲骨や肘・膝にできた場合はひきつれによる運動障害を
引き起こします。

病理組織は、膠原線維(コラーゲン線維)のカタマリです。

ケロイドの原因は、外傷や外科手術、ピアス、ニキビ等が引き金となりますが、
特に誘引なくできてしまうこともまれではありません。

蚊に刺されたり、女性の場合下着の肩ヒモやプラスチックの留め具が当たって、それが
刺激となってケロイドが生じることさえあります。

できやすい場所は、おおよそ決まっています。
①上腕の三角筋部(ワクチン等の注射を打つ時の肩辺り)
②胸骨部(胸の中央の骨のある辺り)
③肩甲骨部(背中)
④下顎骨部(下顎の辺り、ひどいニキビの後にできやすい)
⑤耳垂部(耳たぶ)
⑥恥骨結合部(下腹部)

すなわち、「ケロイド」は、皮下すぐに骨が触れる場所にでき易い特徴があります。

次に「ケロイド」の治療法について列挙してみますね。
①ステロイド(ケナコルト)の注射
 →ケロイド組織を委縮させて小さくする効果があります。
 →通常、一か月に一回当たりの注射を5回~10回程度繰り返します。

②トラニラスト(リザベン)の内服
 →一日3回1カプセルずつ内服します。
 →ケロイドの赤みや隆起を抑える効果と痛み・かゆみを抑える効果があります。
 →出血性膀胱炎という尿に血が混じる副作用がありますので、定期的な尿検査が必要です。

③シリコンシート(Fシート)の貼付
 →保湿効果によりケロイドの活動性が抑えられます。

④ヒルロイド・ソフトの外用
 →シリコンシートと同様に保湿作用によりケロイドの活動性が抑えられます。

⑤ステロイド剤の外用
 →ステロイド・テープ(ドレニゾンテープ、トクダーム)
 →ステロイド剤の塗布と密封療法
 →効果が限定的なことが多く、僕自身はあまり使用しません・・・。 

⑥放射線の照射
 →リニアックという電子線を2日に一回のペースで5回くらい照射します。
 →電子線は、皮膚表面にしか届きませんので、内臓に対する副作用はありません。
 →コラーゲンを作る線維芽細胞を抑制させ、手術後の再発を予防します。

⑦手術による摘出
 →⑥の放射線治療と併用することが多いです。

⑧スポンジ(レストン)による圧迫

⑨漢方薬
 →柴苓湯という漢方が、ステロイド作用があるのでケロイド治療に期待できます。

⑩ボツリヌス毒素(ボトックス)の注射
 →ケロイド周りの筋肉の緊張を解いてあげる(引っ張り力の軽減)ことで、ケロイドに対する刺激を
  緩和します。
 →通常、10単位~20単位くらいを注射します。
 →①のケナコルトの注射を併用すれば相乗効果が上がります。

これらの治療法を患者さんごとにいろいろ使い分けています。

当院の工夫としましては、特に①のケナコルトの注射の際はできるだけ浅い位置に
打つように心掛けております。
理由は、ケロイドの中心部は組織が充実しているあまり、薬液を容易く注入することが困難です。
かと言って、ケロイドの下方に打ちますと皮下組織に流れ込んで、正常な組織が委縮し凹んでしまいます。

すなわち、ケロイドのカタマリのごく表面に水ぶくれを作る気持ち(皮内反応の要領)で注入するのが
ベストです。
こうすれば、凹ませたいケロイド部分だけに薬液を反応させることができるからです!!

それから、肩や胸の中央付近にできたケロイドに対しては、ボトックスの注射を併用して
筋肉の緊張を取って上げることが大事です。

その際、正常皮膚に針を突き刺すのではなく。ケロイドの縁かケロイドそのものに針をさして
薬液を注入することにしています。
理由は、軽微な刺激でもケロイドが発生する恐れがあるのですから、治療の際のハリの刺入そのものが
ケロイドの発生の引き金になるかも知れないからです。

ここからは、余談となりますが、僕自身のケロイドの捉え方を書いて見たいと思います。

「ケロイド」は、実際のところ怒っているんじゃないかと感じています。
子供が顔を真っ赤にして、口を尖がらせて駄々をこねている感じです。

僕には、赤く緊満したはち切れそうな「ケロイド」を目の前にしますと、シリコンシートという「布団」を
そっとかけてあげて、「寝んねんころり」を静かに歌ってあげて、なだめすかして、癒してあげることが
大事なんじゃないかと、日々そんなことを考えて治療に当たっています・・・。

それでは、また。

クリニックのホームページへ飛ぶには、下のURLをクリックして下さい。
(医)美咲会 ふくずみ形成外科  
http://www.fukuzumi.jp/
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「ケロイド」その2 ~モニター大募集です!!~

今日は、ケロイドの2回目を書こうかと思います。

現在、ケロイド治療の無料モニターをクリニックで大募集しております。

「Fシート」という名前のシリコンシートがあるのですが、作っている会社は
富士薬品工業というメーカーなんですね。

このFシートは、ケロイド治療にはなくてはならない良い治療法なんですが、
今回、当院でFシートの治療効果についての再検証を行って欲しいという
依頼が舞い込んだんです。

何でも富士薬品協業は、地味な会社でこれまであまり病院やらクリニックに
Fシートを売り込んで来なかったそうなんです。

これまで、製品の良さからドクターの間で口コミだけで広まっていたのですが、
折角良い製品なんだから、会社としてもっと積極的に対外的にアピール
して行こうっていう感じになったんですって。

今回の研究の目的ですが、
まずは、ケロイドの患者さんにFシートのみの治療を行って、シートを貼った
部分と貼ってない部分で治療効果にはっきり差が認められるか写真で撮って
ビフォー・アフターの再検証を行わないといけません。

この研究方法は、ハーフサイド・テストというのですが、もっとも簡便で
かつ良い方法とされているんです。

同じ患者さんで病変部位を2分割して、治療した部分としてない部分を比較
するだけでいいんです。

この研究をしてもらうクリニックを会社側で選ぼうという話になったらしい
んです。

そこで、割合Fシートをたくさん購入して使用してくれているクリニックは
ということで、当院に白羽の矢が立ったんですね。

まあ、名誉なことでもあるので、僕としても喜んでお引き受けする
ことにしたんです。

研究期間は、半年~一年です。
半年で治療効果がきっちり出た場合は、その時点で研究は終了です。
半年で、治療効果が不十分な場合は一年に延長です。
モニター期間は、最長で一年とお考え下さい。

研究期間が終了した後は、残りのケロイドも含めて全力で治療します。
この際の治療費と診察料は、すべて無料にさせて頂きます。

研究後の治療としては、
①リザベンの内服
②ケナコルトの注射
③漢方の併用
④Fシートの継続
⑤ヒルドイドソフトの外用
⑥ステイロイド剤の外用
⑦必要に応じて摘手手術と放射線の照射

を考えております。

最終的には、全力できっちり治したいと思いますので、
ケロイドでお悩みの方は、このモニター制度に
どしどしお申込みいただければと思います。

先着20名を予定しておりますが、
すでに数名の方にお申し込みを頂いております。

モニターご希望の方は、お急ぎ下さいね!

それでは、どうぞよろしくお願い致しま~す!!


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(医)美咲会 ふくずみ形成外科
http://www.fukuzumi.jp/

ケロイドについて

今日は、ケロイドについて書こうかと思います。

ケロイドは、形成外科に来られる患者さんで最も多い疾患の
ひとつです。

ニキビ跡や帝王切開後にできることが多く、ミミズばれ状に
赤く盛り上がり特有の光沢があります。

ケロイドは周りの正常組織にどんどん拡がって増殖するという
困った性質があります。

ケロイドはドイツ語で「かぎヅメ」もしくは「カニの爪」という
意味です。
ケロイドが、カニの足のように四方八方に拡がっていく様子が
言葉に込められているようです。

ケロイドができやすい場所は、大体決まっています。

①上腕の肩の部分(三角筋)
②肩甲骨部分
③下あご部分
④胸の正中部の骨の部分(胸骨部分)
⑤恥骨部分
⑥耳たぶ(ピアス後のケロイド)

にできることが多いようです。

きっかけは、ニキビができた後とか、蚊に刺された後、
女性ならブラジャーのひもの接続部分にあるプラスチックや
金属部分が体にあたってできることがあります。

要するに、普通なら何でもないちょっとした刺激が
きっかけになって、ケロイドができてしまうんです。

ケロイドの本体は、過剰に作られてしまったコラーゲン線維です。

本来、コラーゲンは傷を埋めるために線維芽細胞から作られるの
ですが、抑制が効かずどんどん作り続けてしまうのがケロイドの
特徴です。

ケロイドは、かゆみや痛みを伴ったりと、いやな面がさらにあります。

ケロイドの治療には、以下の治療法があります。

①ステロイド外用剤の塗布、ステロイドテープの貼付
②ヒルロイド外用剤の塗布
③シリコンシートの貼付・シリコンゲルの塗布
④リザベン(抗アレルギー剤)の内服
 →痒みや痛みを緩和する効果があります。
⑤ステロイド(ケナコルト)の局所注射
⑥スポンジ(レストン)による圧迫
⑦切除手術
⑧電子線(リニアック)の照射
 →切除手術の後、線維芽細胞を抑制するために行います。

通常、これらの治療法を組み合わせて行います。

ここで当ブログを読んで頂いている読者の方に告知があります。

現在、シリコンシートで富士薬品工業発売の「Fシート」
という製品があるのですが、このFシートの効果判定の
再確認を当院で行うことになりました。

そこで、この研究に参加してもらえるケロイドの患者さんを
モニターとして募集します。

モニターの期間は1年です。
治療にかかわる物品と薬剤、診察料はすべて無料にさせて頂きます。

詳細は、後日アップさせて頂きますね。

それでは、また。

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