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赤あざ(単純性血管腫)の治療について その3

今日は、アメリカの主要なレーザーメーカーの一角を占める
キャンデラ社のDCDという技術について書こうと思います。

DCDはダイナミック・クーリング・システムの略なんですね。

レーザー光線が発射される直前に、表皮を冷やすために
冷却スプレーが噴霧されます。

冷却温度は、約0度なんです。

表皮を冷やすと、どういうメリットがあるのでしょうか?

もし、真皮内の血管に大きなエネルギーを送り込むことができたなら
大量の異常な毛細血管が一度に除去できます。

ところが、レーザー光線は皮膚表面から角質~表皮と通過して
真皮内に到達しますので、大きなエネルギーをいきなり与えると
まず表皮がやけどを起こす危険性が高まります。

また、表皮にはメラニン細胞やメラニン色素が溜まっていて、
レーザー光線を吸収しやすい状況にあります・・・。

赤あざ治療用のダイ・レーザーを扱うドクターは、赤あざをなるべく
早く消してあげたいと思うあまり、強いパワーでレーザーを照射
することがあったんですね。

すると、皮膚の一部が壊死を起こし、治ってから皮膚表面に凹凸の
跡形が残るようになることもあったんですね。

そこで、キャンデラの技術者は考えたんですね。

そして、レーザー光線が出る前に、あらかじめ皮膚表面を冷やして
おけば、やけどのリスクが減らせることを発見しました。

DCDのクーリング・スプレーは、設定でいろいろ変えることが
できるのですが、おおむねレーザー光線が発射される20~30ミリ秒前に、
20~30ミリ秒の短時間だけシュッと0度の冷気が噴霧されるんですね。

表皮のみ一瞬冷やされます。
ここが大事なんですね。

アイスパックなんかで赤あざの部分を数秒も数分も冷やし続けると、
真皮内までしっかり冷えてしまい、レーザー光線を当てた場合、
真皮内の温度上昇が妨げられます。

すると異常血管が焼け残ります。
すなわち、長時間念入りに冷やし過ぎると治療効果が落ちてしまうんです。

DCDは、レーザー光線が出る20~30ミリ秒前に、20~30ミリ秒間
だけシュッと噴霧されるんですね。

レーザー治療中の音としては、
 ①シュッ
 ②ドン
 ③シュッ
 ④ドン

なんです。

①のシュッで0度の冷気ガスが皮膚表面を冷やします。
この冷却ガスは、20~30ミリ秒間噴霧されます。

そして20~30ミリ秒、間をおいて②のドンという音とともに
レーザー光線が発射されます。

20~30ミリ秒遅れてレーザーが出るのは、その間に冷気が表皮全体に
伝わる時間を待っているからなんですね。

赤あざ治療の主流となっている、キャンデラ社のVビームは、このDCD
の特許を持っています。

ですから、他のメーカーはこの技術を使うには多額のパテント料を支払わないと
いけません。

実際、DCDは今でもキャンデラ社独自の技術で、他のどのメーカーも採用
できずにいるようです。

Vビームは、本当に良いレーザーです。
赤あざ治療が、安全で快適にできるようになりました。

治療のスピードがすごく速いです。
はがきくらいの大きさの赤あざなら10分弱で
治療が終了してしまいます。

がんがん強いパワーで照射したとしても、DCDのおかげで
安全マージンがしっかりとあるのでやけどを起こすかも!?
という治療者側の「恐怖心」は、それほど持たなくても大丈夫なんです。

DCDの冷却とレーザー照射が、毎回の照射ごとに交互に正確に
制御されているので、治療者側は、ただ病変と照射後の色の変化を
観察しているだけで済みます。

こんなにすごい技術をさりげなく、たんたんと出し続ける「Vビーム」って
なんだか素敵だと思いませんか?

機械だから文句こそ言いませんが、僕はとても頼りにしているし
感謝もしているんですよ・・・。

一方、Vビームでも取れない、非常に深い治療上難しい赤あざってあるんですね。
Vビームでも相当素晴らしいんですけど、その後継機種の「パーフェクタ」は、
もっとすごいんですね。

エネルギー密度が、ハンパないです。
7ミリスポットで20ジュール/平方センチメートル
5ミリスポットなら30ジュール/平方センチメートル
も出るんですね。

Vビームは、MAX15ジュール/平方センチメートルまでしか出ませんから、
段違いです!!

当院では、Vビームで取れ残っても、切り札の「パーフェクタ」が後に控えているので
気持ち的に非常に楽なんです。

良い時代になりました。

「Vビーム」が一台あれば、いろいろなことが治療可能です!

①単純性血管腫
②静脈湖→唇の青い血管腫
③毛細血管拡張症→赤ら顔
④毛細血管→血管の浮き
⑤老人性血管腫→赤イボ
⑥ニキビ跡の赤み
⑦肌の若返り効果→ニキビ跡の凹凸治療、しわ取り効果、しみ取り効果

まであります。

一年間の保守点検費用は高いですが、使い勝手の良い素晴らしい機械
ですので僕は大好きなんです。

DCD万歳!
Vビーム万歳!
キャンデラ万歳!

有難うございました。

次回は、院長のダイエットはどうなったのか?
半年経過した心境を書きたいと思います。

それでは、また。

クリニックのホームページへ飛ぶには、下のURLをクリックして下さい。
(医)美咲会 ふくずみ形成外科  
http://www.fukuzumi.jp/
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赤あざ(単純性血管腫)の治療について その2

今日は、赤あざのレーザー治療についての理論というか仕組みについて
書こうかと思います。

前回は、「選択的熱破壊理論」を書きましたので、今回はその中身ですね。

赤あざ用のレーザー治療器は、異常血管のみを除去して正常組織は傷つけ
ないんです。

というわけで、いよいよレーザー光線の説明に入るんですけど、
血管は、実は半透明で光を吸収しにくんです。

ですから、血管を狙ってレーザーを当ててもほとんど素通りしてしま
うんですね。

そこで、血管の中に流れている血液に着目します。
血液は赤血球や白血球やその他血漿成分が混じっていて赤く見えます。

赤く見えるのは、赤血球の中のヘモグロビンという成分が赤い色素を
持っているからなんです。

この赤い色に良く反応する波長の光を選んであげるといいんですね。
その波長とは、585もしくは595ナノメートルなんです。

赤あざ用に使われているレーザーは、すべてこの波長を使用しています。

レーザー光線を赤いヘモグロビンに当てるとすぐ吸収されて
光エネルギーから熱エネルギーに変わります。

簡単に言うと、赤血球が急激に熱せられて沸騰するんです。

沸騰した熱が周りの血漿成分をあたため、その熱が血管の内皮細胞
に届きます。

つまり、血管の壁が熱変性を起こし焼けてしまいます。
めでたく焼けて傷ついた異常血管は、貪食細胞に食べられて徐々に
掃除されていきます。

ここで、異常血管が無くなっていいんですけど、正常血管は無くなって
困らないんですか?という質問がたまにあります。

正常血管もたぶん熱にやられていますね。
でも、必要な毛細血管ならまた体の方で勝手に作りますし
問題となりません・・・。

また、赤あざ部分の異常血管は正常血管の数に比べて圧倒的に
多いので、とにかく異常血管を取り除くだけでも相当大変なんです。

というわけで、正常血管が多少損傷を受けても目をつぶって大丈夫
ですよという話になります。

次に、血管の壁に伝わる熱量の大きさが大変重要になります。
熱量が大きすぎると、血管の壁を突き切って、周りの膠原繊維
(コラーゲン繊維)や毛根や脂腺組織にやけどを負わしてしまいます。

そこで、程よく血管の壁が傷つく程度の必要最小限の熱量が
必要ということになります。

最後に、必要な熱量を程よい時間内に加えないといけないという
理屈があるんですね。

ここで、師匠の葛西先生に教わった説明を書きますね。

冷えたご飯(ヘモグロビン)を瀬戸物の茶碗(血管)に盛って、
電子レンジで温めるということを想定しますね。

①15秒~30秒くらいの短い時間ですと、ごはんのみが少し暖かくなって
茶碗(血管)は冷たいままですよね。

②60秒くらい温めますと、ごはん(ヘモグロビン)から湯気が
立ち昇って来ますよね。茶碗(血管)は少し暖かいくらいでしょうか。

③2分か3分以上温めると、茶碗(血管)が熱くなって持てなくなりますよね。

すなわち、温められたご飯(ヘモグロビン)の熱が時間の経過とともに徐々に周りに
伝わって行くということなんです。

①の状態ですと、異常血管が焼けていません。
②の状態が異常血管だけ焼けてちょうど良いということになります。
③まで行くと、血管が焼けてさらに周りの正常組織も焼けてやけどに
なってしまいます。

赤あざのレーザーに求められる条件は、

①程よい波長の光であること→585ナノメートルもしくは595ナノメートル
②程よい照射時間であること→450マイクロ秒
③程よいエネルギー密度であること→6~10ジュール/平方センチメートル

ということになります。

異常血管のみを周囲組織を傷つけないで除去することは、結構大変な
作業なんです。

何気なくレーザーで治療をしていても、理論は科学的な裏付けがきっちり
あって、レーザー治療器がばっちり制御されているからこそ、安全な
治療が可能なんですね。

レーザーの理論を発明した物理学者、それを開発したレーザーメーカー
定期的に保守を請け負って頂いているメーカーの技術者に支えられての
尊い治療ということになると思います。

僕も、レーザーを支えて下さっている技術者の方に感謝せずには
おられません・・・。

次回は、DCD(Dynamic Cooling Device )という
ブレークスルーに挑んだ技術の話をしたいと思います。

それではまた。


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赤あざ(単純性血管腫)の治療について

今日は、赤あざの治療について書いてみますね。

赤あざには、
①苺状血管腫
②単純性血管腫
③海綿状血管腫
の3つがあります。

今回は、このうちの②単純性血管腫のレーザー治療について
考えてみたいと思います。(以下「赤あざ」としますね。)

この赤あざですが、本来無いはずの異常血管の塊が皮膚の中に
できてしまう病気です。

放置しておいても自然に良くなることはありません・・・。

赤あざに対するレーザーの歴史は結構古く、かれこれ30年くらい
前から治療用としてレーザーが使われはじめました。

当初は、アルゴンレーザーというレーザーがそのはしりとなったんですね。

アルゴンレーザーは、組織を何でもかんでもとにかく焼いてしまう
という器械でしたので、治療後に瘢痕という傷痕が残ってしまうのが
大きな問題でした。

それでも、レーザーという新しい治療器械を用いた治療を受けて見たいと、
患者さんたちは日本に数台しかないレーザーを探して殺到しました。

その後、「選択的熱破壊理論」という画期的な理論が打ち立てられまして、
あざの治療が飛躍的に向上しました。

「せんたくてき・ねつ・はかい・りろん」
何やら聞き慣れない言葉ですが、レーザーに携わる者には、魔法を
かけるときの呪文のような響きさえあります。

正常組織を傷めずに、余分な「血管」や「メラニン」だけを安全に
破壊して、綺麗に除去できますよ。というくらいの意味です。

まさに夢のような理論というか発明なんですね!!

異常な血管を綺麗に取り除くことができたなら・・・。
赤あざの患者さんは、どれほど救われることでしょう!!

30年以上前に、世界中の科学者や医者が夢想していたことが現実のものと
なったんですね!

現在、アメリカのキャンデラ社というメーカーが製造したVビーム
というレーザーが、赤あざの治療に広く使われています。

しかも、健康保険で受けられるんですね!

次回は、レーザー光線がどのようにして「異常血管」のみ除去できるのか、
その仕組みについて解き明かしてみたいと思います。

どうぞお楽しみに!

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「ケロイド」その2 ~モニター大募集です!!~

今日は、ケロイドの2回目を書こうかと思います。

現在、ケロイド治療の無料モニターをクリニックで大募集しております。

「Fシート」という名前のシリコンシートがあるのですが、作っている会社は
富士薬品工業というメーカーなんですね。

このFシートは、ケロイド治療にはなくてはならない良い治療法なんですが、
今回、当院でFシートの治療効果についての再検証を行って欲しいという
依頼が舞い込んだんです。

何でも富士薬品協業は、地味な会社でこれまであまり病院やらクリニックに
Fシートを売り込んで来なかったそうなんです。

これまで、製品の良さからドクターの間で口コミだけで広まっていたのですが、
折角良い製品なんだから、会社としてもっと積極的に対外的にアピール
して行こうっていう感じになったんですって。

今回の研究の目的ですが、
まずは、ケロイドの患者さんにFシートのみの治療を行って、シートを貼った
部分と貼ってない部分で治療効果にはっきり差が認められるか写真で撮って
ビフォー・アフターの再検証を行わないといけません。

この研究方法は、ハーフサイド・テストというのですが、もっとも簡便で
かつ良い方法とされているんです。

同じ患者さんで病変部位を2分割して、治療した部分としてない部分を比較
するだけでいいんです。

この研究をしてもらうクリニックを会社側で選ぼうという話になったらしい
んです。

そこで、割合Fシートをたくさん購入して使用してくれているクリニックは
ということで、当院に白羽の矢が立ったんですね。

まあ、名誉なことでもあるので、僕としても喜んでお引き受けする
ことにしたんです。

研究期間は、半年~一年です。
半年で治療効果がきっちり出た場合は、その時点で研究は終了です。
半年で、治療効果が不十分な場合は一年に延長です。
モニター期間は、最長で一年とお考え下さい。

研究期間が終了した後は、残りのケロイドも含めて全力で治療します。
この際の治療費と診察料は、すべて無料にさせて頂きます。

研究後の治療としては、
①リザベンの内服
②ケナコルトの注射
③漢方の併用
④Fシートの継続
⑤ヒルドイドソフトの外用
⑥ステイロイド剤の外用
⑦必要に応じて摘手手術と放射線の照射

を考えております。

最終的には、全力できっちり治したいと思いますので、
ケロイドでお悩みの方は、このモニター制度に
どしどしお申込みいただければと思います。

先着20名を予定しておりますが、
すでに数名の方にお申し込みを頂いております。

モニターご希望の方は、お急ぎ下さいね!

それでは、どうぞよろしくお願い致しま~す!!


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ケロイドについて

今日は、ケロイドについて書こうかと思います。

ケロイドは、形成外科に来られる患者さんで最も多い疾患の
ひとつです。

ニキビ跡や帝王切開後にできることが多く、ミミズばれ状に
赤く盛り上がり特有の光沢があります。

ケロイドは周りの正常組織にどんどん拡がって増殖するという
困った性質があります。

ケロイドはドイツ語で「かぎヅメ」もしくは「カニの爪」という
意味です。
ケロイドが、カニの足のように四方八方に拡がっていく様子が
言葉に込められているようです。

ケロイドができやすい場所は、大体決まっています。

①上腕の肩の部分(三角筋)
②肩甲骨部分
③下あご部分
④胸の正中部の骨の部分(胸骨部分)
⑤恥骨部分
⑥耳たぶ(ピアス後のケロイド)

にできることが多いようです。

きっかけは、ニキビができた後とか、蚊に刺された後、
女性ならブラジャーのひもの接続部分にあるプラスチックや
金属部分が体にあたってできることがあります。

要するに、普通なら何でもないちょっとした刺激が
きっかけになって、ケロイドができてしまうんです。

ケロイドの本体は、過剰に作られてしまったコラーゲン線維です。

本来、コラーゲンは傷を埋めるために線維芽細胞から作られるの
ですが、抑制が効かずどんどん作り続けてしまうのがケロイドの
特徴です。

ケロイドは、かゆみや痛みを伴ったりと、いやな面がさらにあります。

ケロイドの治療には、以下の治療法があります。

①ステロイド外用剤の塗布、ステロイドテープの貼付
②ヒルロイド外用剤の塗布
③シリコンシートの貼付・シリコンゲルの塗布
④リザベン(抗アレルギー剤)の内服
 →痒みや痛みを緩和する効果があります。
⑤ステロイド(ケナコルト)の局所注射
⑥スポンジ(レストン)による圧迫
⑦切除手術
⑧電子線(リニアック)の照射
 →切除手術の後、線維芽細胞を抑制するために行います。

通常、これらの治療法を組み合わせて行います。

ここで当ブログを読んで頂いている読者の方に告知があります。

現在、シリコンシートで富士薬品工業発売の「Fシート」
という製品があるのですが、このFシートの効果判定の
再確認を当院で行うことになりました。

そこで、この研究に参加してもらえるケロイドの患者さんを
モニターとして募集します。

モニターの期間は1年です。
治療にかかわる物品と薬剤、診察料はすべて無料にさせて頂きます。

詳細は、後日アップさせて頂きますね。

それでは、また。

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ふくずみ形成外科・院長

Author:ふくずみ形成外科・院長
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