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新しい腋臭症・多汗症の治療  ~ミラドライを中心に~ 大阪市中央区天満橋 ふくずみ形成外科

今回は、わきが・多汗症の病態と新しい治療についてミラドライを中心に語ってみたいと思います。

わきのニオイがきつくて、ぷ~んと鼻を刺すような臭いを発している場合がございますが、まさしくこれがワキガの状態と言えます。
診察室では、客観的事実をつかむために、ワキガでお越し頂いた患者さんすべてに対していつも決まって行う検査と質問事項がございます。

まず、オスミテストといいまして、患者さんの両わきを乾いたガーゼでしっかり拭っていただきます。
すぐさま、拭いガーゼを院長の僕と看護師が自分の鼻先に近づけニオイの程度を判定致します。
そして、ニオイの強度を10段階で判定結果をカルテに書き込みます。

その後、家族歴をお聞きします。
腋臭症は高率に遺伝素因が関係していますので、血のつながったご家族でワキガの方がいらっしゃるかどうか率直にお尋ねいたします。

その後、耳垢が湿っているか乾いているかをお尋ねするようにしております。
外耳道もアポクリン腺が多い部位でして、耳垢が湿っているという事だけでアポクリン腺の分泌量が多いというひとつの判断材料となります。

最後に、下着のわきの部分が黄色く変色していたご経験があるかどうかもお聞きします。
アポクリン腺からの分泌が多い場合、下着の変色のあるなしとその程度により、大まかな判断材料とすることができるからです。

そもそもアポクリン腺が存在するエリアは、なにもワキに限った事ではございません。
アポクリン腺の存在している部位を順に挙げますと、
①外耳道部
②腋窩部
③乳輪部
④臍部(おへそ)
⑤外陰部
と言った風に、体の広範囲に局在しております。

ですから、ワキガの手術を健康保険が適応となる皮弁法で手術した場合や、ミラドライで治療した場合でもわきの部分のアポクリン腺を除去・破壊することで、ニオイの減少効果は80%程度期待できますが、わき以外の他の部位にもたくさんのアポクリン腺が存在していますから、完全にアポクリン腺由来のワキガあるいは体臭を除去することはできないということになります。


〇 わきが(腋臭症)

md_wohwt_how_w.jpg

〇 多汗症

md_wohwt_how_t.jpg





☆ ミラドライの仕組みとメリット

ミラドライは、多汗症の原因となるエクリン腺とワキガの原因となるアポクリン腺を両方とも同時に熱損傷を与え除去することができます。

md_about_miraimg1.jpg



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md_about_miraimg3.jpg


下の図は、15秒間ラジオ波を照射し、その直後に15秒間冷却を行っている模式図となります。



ラジオ波の周波数は、5.8ギガヘルツに設定されているのですが、この周波数は脂肪層の丁度上側で跳ね返される特徴があり、脂肪層や血管や神経が走行している皮膚の深部に入って行かないという特性があります。

皮膚表面から伝わるエネルギーと脂肪層で反射されたエネルギーが、アポクリン腺とエクリン腺が存在する層を上と下から文字通り挟み撃ちする格好で焼灼できるという形になっております。



☆ 実際のミラドライ治療

1.治療範囲の特定とマーキング
md_step_ngr1.jpg
専用の転写用紙が何種類も準備されておりまして、体格や体型に応じてアポクリン腺の存在エリアを必要十分にカバーできるようになっております。

上手に転写するには、繊細な指先の感覚に頼った細かなコツと熟練技が必要となります・・・。



2.注射による麻酔
md_step_ngr2.jpg

当院では、現在はカテラン針という比較的長い針を使用してヒフの刺入による痛み刺激をなるべく軽減させるよう工夫を凝らしております。
また、ターゲットとなるアポクリン腺とエクリン腺の存在部位に麻酔の注射液が多く行きわたるよう、片わきで80CCの麻酔量を使用しております。
ミラドライのラジオ波は、水分に高率に吸収される性質がございますので、ターゲット周辺部に液体成分を多量に配置させておくことで、安全で効果的な治療が可能となっております。


3.マイクロ波の照射
md_step_ngr3.jpg

転写用紙から転写されたポイントにハンドピースの先端部分を合わせてマイクロ波を照射して行きます。
体格の小さい方で、片わき当たり25箇所程度、体格の良い方で片わき当たり30箇所につき照射していくことになります。

先程、言いました通り、一箇所あたり15秒間マイクロ波が出て、ターゲットとなるエリアに熱エネルギーを発生させます。
十分な熱エネルギーが得られた後は、周囲の熱損傷を予防する目的で15秒間の冷却をじっくりと行います。

この際の、冷却は、マイナス何度という急激な冷却では無く、0℃程度の割と緩やかな冷却となっております・・・。

また、ハンドピースの先端部分は、肌に押し当ててスイッチを押すと吸引装置が働いて陰圧がかかるようになっています。
陰圧により皮膚がハンドピース側に吸い寄せられ、結果としてターゲットとなるアポクリン腺とエクリン腺がラジオ波発射口にグッと近づくことになるんですね。

この技術もきめ細かい部分ですね。
そのまま皮膚に押し当てるだけではなく、わざわざ陰圧でもってターゲットを機械側により近づけておいてからラジオ波をおもむろに照射するという大変芸の細かい技術となっています。

ミライドライは、アメリカ製の治療器械ではございますが、おもてなしのこころを持った日本の技術が介入しているように思えてなりません・・・。

さて、手術と比べてミラドライが勝っている部分を最後に述べて終わりにしたいと思います。

①ミラドライは、両わきの治療が同日に行えることが素晴らしいメリットだと考えています。
→手術は、片わきずつ日にちをずらして、左右を交互に受けられることをお勧めしております。
→日常生活上、腕を上げたり、モノを持ったり、服を着替えたり、髪の毛を洗ったりする動作が、両わきを同時に手術した場合は、両手の自由が効かないので、非常に不自由を強いられるからです。

②ミラドライは、メスを使用しませんので消毒や抜糸の必要がございません!
→よって通院の必要がございません。
→ただし、定期検診は、2週間後、4週間後、2か月後、3か月後に術後の状態を診せて頂いております。

③ミラドライは、メスを使用しませんので傷痕が残りません!

④ミラドライは、即効性がありますので治療直後から汗と臭いの減少効果を実感して頂けます。

⑤ミラドライは、ターゲット(アポクリン腺とエクリン腺)に直接作用して熱損傷を与えますので、汗腺を取り除く外科治療と同等の効果が得られます。

⑥ミラドライは、治療後の回復が速いので、当日からシャワーをご使用できます!
→翌日以降からは、入浴も可能ですし、普段通りの生活ができます。

⑦ミラドライは、治療時間が両わきでたったの1時間で済みます!
→ごく短時間で治療が済みますので、患者さんの拘束時間が短いのも大きなメリットと言えます。

⑧ミラドライは、治療効果が出やすい方・逆に出にくい方といったばらつきが非常に少ない、優れた治療法だと言えます。
→受けて頂いたほとんどの方が効果に満足して頂いております。
→満足いただけていない方も中には少ないながらもいらっしゃいますが、そういった場合には効果をより確実にさせるために、2回目のミラドライの治療をお勧めするようにしております。

一方、ミラドライの副作用とデメリットにも少し触れておかねば公平ではないですね・・・。

①治療後、1~2か月間くらいは治療部位に一致してしこりや多少のデコボコ感が生じます。
→アポクリン腺とエクリン腺を皮下でしっかりと熱損傷を与えて焼いておりますので。ある程度、皮膚が硬くなったりしこりが生じたりデコボコが見えたりすることがあります。
→最終的には、肉眼で分からないレベルまでちゃんと回復されます。

②二の腕の内側が治療直後から2~3週間しびれたり、皮膚感覚が鈍くなったりします。
→後遺症を残すことなく、2~3週間(長い方で2ヶ月程度)で全く元通りの正常な感覚を取り戻されます。

③治療部に一致して、色素沈着が2~3ヶ月続くケースが一部でございます。
→半年もすれば確実に薄くなって分からなくなります。

これらの副作用に関して、僕としましては次のようにむしろ前向きに捉えております。
それは、ワキガの手術を行っている形成外科医なら周知の事なのですが、脂肪層に浮かんでいるアポクリン腺は実際のところ、結構な厚みがあって面積も手のひら大くらいあって、それはそれは大層なボリュームがあるんですよね・・・。

それを、メスで切開することなく、皮膚表面からラジオ波を照射して焼切る訳ですから・・・。
よほど、しっかり焼かないとそうそう簡単に消えてくれるものではございません。

逆説的になりますが、ミラドライは結構な容積のアポクリン腺とエクリン腺をしっかり破壊できる機械と言えます。破壊が十分行えたことが、治療直後のしこりや皮膚の硬化である程度推し量ることができ、治療部位に一致して万遍なくしっかりと厚みを持ったしこりが出来たのなら、目的とするターゲットを十分焼くことができましたよという事になります。

繰り返しになりますが、皮膚表面に器械をあててラジオ波を照射し、皮膚の深部にあるアポクリン腺を焼き切るというのは実に凄い芸当なんですね。
この機械が開発され、発表されてからかれこれ5年近く経つのですが、3年ほど前にフェイスブック等のソーシャルネットワークでそれはそれは侃侃諤々の議論がなされ、「ミラドライ」は世界中の形成外科医の間で注目の的となったんですね。

師匠の葛西先生に「ミラドライ」を当院で導入したんです。とお伝えした時の葛西先生のリアクションが非常に印象的でした。
「あのミラドライを入れたんかぁ?、君、やるなぁ・・・。」っていう感じでした。

効果があるのか無いのか?出始めの頃は盛大に物議をかもした「ミラドライ」ですが、現在では、「効果あり」ということで、確かなポジションを確立しているかと思います。

すごく良い治療方法なので、これからも多くの患者さんにお勧めして行きたいと考えております。

それでは、また!

クリニックのホームページへ飛ぶには、下のURLをクリックして下さい。
(医)美咲会 ふくずみ形成外科 
http://www.fukuzumi.jp/
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