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ミラドライ ~ワキガ・多汗症に対する電磁波治療器を使った新しい治療法~ 治療効果を十分引き出すための工夫あれこれ・・・。 大阪市中央区天満橋 ふくずみ形成外科

今回は、ワキガ・多汗症に対する新しい治療法として注目を浴びている「ミラドライ」ですが、十分な効果を引き出すために当院が工夫していることがいくつかございますので、あれこれ思いつくままに述べてみたいと思います。

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「ミラドライ」は、皮膚表面から5.8ギガヘルツの電磁波を照射し、脂肪層に浮かぶように存在しているアポクリン腺とエクリン腺を熱破壊させる治療法です。

アポクリン腺とエクリン腺を「選択的に」熱破壊させることができれば、周りの皮膚や神経や血管を傷つけることなく安全で確実性の高い治療が可能となります。

その安全性を高め、一方で治療効果の確実性を高めるために当院が行っていることを数点まとめて列挙してみますね!

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①患者さんの体格や体型に合った転写シートを選んで、アポクリン腺の存在部位を必要にして十分な範囲をカバーすること。
→治療範囲は、簡単に言いますとわき毛の生えている範囲がずばり治療範囲となります。
(左右の手の指の親指同士と人差し指同士をくっつけて、横長の楕円形を作れるかと思いますが、この範囲がわき毛の生えているおよその範囲と言えます。)
→体格が大きい方は、治療範囲が広くなりますし、身長が高い方は楕円形の長軸方向が長くなります。

②患者さんに合った転写シートを上手に腋の治療範囲の皮膚に写し取る作業が重要となります。
→かすれることなく、ゆがむことなくシート上の情報を、正確に皮膚に写し取ることは意外と難しい作業となります。
→キレイに転写できれば、迷うことなくミラドライのハンドピースを必要箇所に当てることができ、照射に関して迷いのない(間違いのない)、スピーディな治療が可能となります。

③麻酔の注射に関して、患者さんの痛みを少なくさせるための工夫。
→0.5%濃度のエピネフリン入りキシロカインの局所麻酔薬を使用します。
→これをメイロンという弱アルカリ性の注射薬で倍希釈します。
→酸性に傾いているキシロカインが同量のメイロン(アルカリ性)で中和されることにより、注射した時の皮膚組織の痛みがずい分と少なくなります。
→カテラン針という10cm近くある細長い針を使用することで、皮下の神経が鋭敏でない部分に針をくぐらせます。
→すると針の皮膚に刺入する回数が、片わき当たりわずか3~4回で済みますので、注射時の痛みが劇的に軽減されます。
→すなわち、長いカテラン針を使用しますと、一回の刺入で治療範囲のなんと半分くらいの広い面積を放射状に麻酔をかけることができるんです。

④ミラドライを良く効かせるための注射を打つ皮膚の深さについて。
→アポクリン腺は皮下組織のいわゆる脂肪層の上層にぷかぷか浮かぶように存在しています。(上の図を参照して下さい。)
→一方、エクリン腺もアポクリン腺よりは少し皮膚表面に近い部位に存在しています。
→このアポクリン腺とエクリン腺を効果的に熱損傷を与えるために、当院では麻酔薬を注射する際にも深さに注意を払っております。
→すなわち、カテラン針という10センチ近い細くて長い注射針を使用し、真皮層と脂肪層の間を縫うようにカテラン針を滑り込ませます。そして、この真皮層と脂肪層の境界領域に注射薬を注意深く均等に注射していきます。
→その結果、アポクリン腺とエクリン腺を多く含む組織が、多量の注射薬で取り囲まれることになります。(このアポクリン腺とエクリン腺を含んだ注射薬全体の領域を便宜上、A領域と呼ぶことにします。)
→こういった、下準備をしておいてからミラドライを皮膚表面から照射しますと、注射薬で満たされたA領域が電磁波により効果的に熱上昇が起こり、結果的にアポクリン腺とエクリン腺を丸ごとひとかたまりとして焼くことができるんです!

⑤ミライドライの照射の実際
→エネルギー量は、基本的にMAXのレベル5で行います。
→上記A領域に多量の麻酔薬(水分)を配置してありますので、皮下の神経や血管を保護する役目を果たし、皮膚表面から強い電磁波のエネルギーを与えても、目的とするA領域にほとんどのエネルギーが吸収されますので、安全かつ効果的な治療が可能となりました。
→やせ形の体型の方は、部位により3~4に下げます。
→前腋窩線すなわち腋の前方のエリア(前胸部と上腕に挟まれた領域)は上腕神経が、皮下の浅い部分を走行していますので、安全性を確保するためにエネルギー量を3~4に下げて治療を行います。
→その他、麻酔をしているにもかかわらず患者さんご自身が、施術中にピリッとした痛みや違和感を訴えられたりした場合は、すかさずエネルギー量を1~2程度、場合によってはレベル2まで下げるようにしております。

⑥ミラドライによる効果的な治療が果たしてできたかどうかについての判定は、術後2週間後の診察の際、実際に患者さんとご一緒に確認することができます。
→それは、以前のブログにも書きましたが、わき毛の生えている部分の楕円形のエリアを手の平で軽くなぞりますと(触診)、厚みが1cm程度の板状のしこりとなっているのが分かります。
→これは、まさしくA領域がしっかりと熱損傷を受けたことにより(タンパク質の熱変性が生じ)瘢痕組織に置き換わっていることに他なりません。
→ミラドライの治療後にA領域に、以前よりしっかりとした強い瘢痕を確認できるようになったのは、注射の際に長いカテラン針を使用し、片わき当たり80CCもの大量の注射薬を使用するようになってからのことです。
→そして、治療効果が以前に比べて30~40%ほどアップしたことが、患者さんからのアンケート調査により確認できております。

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ここで、話が少し逸れますが、僕が、大学病院の形成外科で働いていた時の、恩師の久徳茂雄先生のお言葉が思い出されます。
久徳先生は、手術が大変お上手な先生で、術後の経過がいつも順調で、うまくいかない手術が極端に少ないことで有名でした・・・。

その久徳先生のお言葉です。
「たまたま手術がうまくいったんじゃないよ。」
「術後経過も、たまたまうまくいったのでもない・・・。」
「いろいろなハードルをひとつひとつ乗り越えたからこそ、うまく行ってるんやで」と。

ここに僕が大学病院在籍中に学んだこと、恩師から教えて頂いたことを思い出す限りまとめて見たいと思います。

題して「手術を成功させるためには・・・。」

①手術のデザインが適切かどうか?
②麻酔の打ち方(麻酔薬の選択と量と濃度と深さ)が適切かどうか?
③メスによる皮切が適切かどうか?(メスの刺入角度、メスをさばくスピード、メスを進める方向、皮切の深さが適切かどうか。)
④皮下組織の処理が適切かどうか?(皮弁移動をスムーズに行うための剥離が必要にして十分か?)
⑤皮弁を栄養する血管は確保されているかどうか?(確認のためドップラーエコーも使用します。)
⑥止血操作が十分か?
⑦廃液用のドレーンが適切に留置されているか?
⑧適切な太さの縫合糸で真皮縫合が適切にできているかどうか?(断端が段違いになっていないかどうか?)
⑨適切な太ささの縫合糸で表皮縫合が適切にできているかどうか?
⑩術後のドレッシングが適切にできているかどうか?(軟膏・ガーゼ・テープの貼付が適切にできているかどうか?)
⑪術部の固定が、しっかりとできているかどうか?
⑫術後の良肢位が、しっかりと取れているかどうか?
⑬術後の皮弁の色の血色が、適切かどうか?(毛細血管のキャピラリー・リターンにて確認します。)
⑭皮弁の色が悪い場合には、プロスタグランジン製剤の投与・医療用ヒルの使用をためらわずにすぐ使用できるかどうか?
⑮糖尿病等の患者さんの基礎疾患が安定しているかどうか?
⑯感染予防が、適切に図られているかどうか?(手術前後の清潔操作・術後の感染予防のための抗生剤の投与。)
⑰術後のガーゼ交換の際、皮下出血、皮弁壊死が無いことを確認できているかどうか?
⑱適切な時期に、術後抜糸が行えているかどうか?
⑲抜糸後のケロイド予防のための、スポンジのレストンによる圧迫やマイクロポアによる縫合部の圧迫がきちんとなされているかどうか?
⑳患者さんに対するムンテラ(治療方針の説明・術後直後の説明・術後経過の説明)が必要にして十分行えているかどうか?
また、使用する薬剤・固定用具等の必要性と副作用、使用する期間、見通しについて、患者さんに対して分かりやすく説明ができているかどうか?

ひとつの手術を無事に完結させるためには、最低これくらいのことを抑えておかねばなりません。
肝心の手術費用や入院期間、入院中の食事内容についても必要に応じて言及せねばなりません・・・。

病院勤務のドクターは、非常に多忙です・・・。
入院時治療計画、麻酔科ドクターとの打ち合わせ、レントゲンや血液検査と言った術前検査の依頼、執刀者との術前カンファレンス、手術前・後のベッドサイドに行っての患者さん・ご家族への説明・声掛け・励まし。
糖尿病やその他基礎疾患を持っておられる患者さんへの、院内他科へのご高診依頼。
手術の執刀・介助・立ち合い。
手術所見を図柄入りで克明に記録するためのオペレコ(operation record)の記入。術後の毎日のガーゼ交換とカルテの記入。薬剤部への必要薬剤の依頼と受け取り。担当ナースへの申し送り。外出許可。退院時サマリーの記入。必要に応じて、細菌培養検査の実施、炎症反応の確認のための採血、抗生剤の点滴投与も必要となります。

刻々と変化する病状に対して、適時・適切な処置と薬剤の投与・免荷・体位変換さえも必要になることがあります。

ずいぶん沢山のことを書き連ねましたが、一人の受け持ち患者さんを入院から手術を行い、退院まで見届けるまでには、無数ともいえる数々のステップを踏んで、術後管理等あらゆるハードルを的確にクリアしていかねばなりません・・・。
本当に大変なことです・・・。

久徳先生の言わんとされた内容が、僕の心の奥深くに刻み込まれていて、今しみじみと思い出されます。

「何事も、たまたまうまくいくことは無い!」
「物事がうまく運ぶためには、無数の越えなければならないハードルが目の前に立ちはだかっている。」
「うまくいかなかった場合には、すべて原因がある!」
と、言ったことだと思います。

久徳茂雄先生!その節は、数々のご指導・ご鞭撻を頂戴し誠に有難うございました!
この場を借りて、心より御礼申し上げます。

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ひるがえって、「ミラドライ」を成功させるためには、
①両わきのニオイチェック・家族歴。耳垢の様子等細かいチェックを行い、手術適応があるのかどうか適切な診断を下すこと。
②術前デザインを正確に行うこと。(患者さんの体格体型に適合した転写シートを選択し、治療部位に丁寧に転写させること)
③カテラン針という特別な注射針で、痛みが少なくて、逆に治療効果が高い麻酔方法を選択すること。
④患者さんの体格や施術部位により、適切なエネルギー量をこまめに調整の上、あてムラの無いよう、ミラドライを丁寧に照射すること。
⑤ミラドライの術前・術後に患者さんに対して、リスクと効果さらに術後経過の様子について適切に説明すること。
⑥ミラドライ照射部位に関して、定期的に術後状態の確認を行い、その都度効果判定を行うこと。
→当院では、ミラドライ照射後の定期検診を2週間後・4週間後・2か月後・3か月後・6か月後に行っています。

すべて、手術を成功に導くための久徳先生の「お教え」と一致することばかりです。

これからも、恩師の「お教え」を機会があれば触れて見たいと思います。

それでは、また!

クリニックのホームページへ飛ぶには、下のURLをクリックして下さい。
(医)美咲会 ふくずみ形成外科 
http://www.fukuzumi.jp/
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